そこまで思い詰めてしまっていた男性が立ち直り、自身の過ごしてきた日々を見つめ直すマンガに、「わかる。めっちゃくちゃわかる」「とっても響きました」と共感と絶賛の声が上がりました。 実話をベースに描いたのは、吉本ユータヌキさん(@horahareta13)です。作品は、現在までにのべ6500以上の「いいね」を集めています。 なぜ10年前なのか。笑顔とは無縁の日々を送っていた過去にさかのぼります。 アルバイトをするだけの生活を送っていた吉本さんは、ある日、中学時代の同級生たちと再会します。 「これが今の活動のスタートなんです」 「この数年、“苦しんだこと”は吉本さんにとってどんな意味がありますか?」 つまり、「この数年、全部あってよかった」とつづるのでした。 このマンガを読んでくれた方が、ここまで生きてきた人生の中のツラかったとか、しんどかったとか、思い出したくもない思い出に対して、「でも、あの時があったおかげで、今の自分がいる」と少しでも感じたり、気づいてもらえたりしたらいいなと思って描きました。 僕自身、「そんな経験もしたから、今の自分になれた」と思えるように変わったんです。 2019年に会社員を辞め、滋賀県に移住しました。マンガに専念するようになるも、変化と多忙のためにメンタルのバランスを崩し、「マンガ家をやめたい」と人生最大の落ち込み期に突入しました。 そんなときに、編集者さんにコーチングをしてくれるプロの中山さんを紹介してもらいました。中山さんと雑談を繰り返すうちに、「他人の期待に応えるため、マンガを描くことに苦しみを感じていた」と気づきました。 1年かけて「自分が描きたいことを描く」という思いに少しずつ変化し、楽しくマンガが描けるようになったんです。 それから自分でもコーチングを学び、自分のように「気にしすぎ」な人が少しでも気楽に生きられるヒントになる本(10年前の自分に届ける本)を作ろうとしています。 ーー読者さまからの反響をどう受け止められていますか? すごく嬉しかったです。感想と一緒に、抱えているモヤモヤを載せてくれた方もいて、こんなことを考えている人もいるんだなって思えました。 僕のマンガで「前進することができた」って感想もあって、それが僕の背中を押してくれもしました。 1986年、大阪生まれ大阪育ち。18歳から8年間活動していたバンドが解散し、サラリーマンとして安定を目指して歩み直した矢先、子どもが誕生。子どもの成長を残すために描き始めたマンガ『おもち日和』が集英社のWebマンガサイトで連載となり、後に出版デビュー。2023年2月に「10年前の自分に届ける本」の出版を予定している。Twitterで連載した、今回の作品を含む『「漫画家やめたい」と追い込まれた心が雑談で救われていく1年間』に解説を交えた内容となっている。
December 22, 2022 · 1 min · 17 words · Brett Ruffin